【AI知識】エキスパートシステムやオントロジーについて

人工知能やAIについて、学習のためにイライザやエキスパートシステム、オントロジーという用語があります。G検定にも出題されるないような内容です。
人工知能についてあまり良くわかっていないというかたは、こちらの記事から読むとわかりやすいでしょう。

「人工知能(AI)とは」4つに分類でき、人工知能の歴史について
人工知能と言う言葉を良く耳にすると思います。今後の産業は必ずといっていいほどこの人工知能が関係してきます。G検定というAIの資格もここ最近取得している人が増えています。合格率は高いですが、それは専門家が多く受けているから...

 

イライザ

イライザを紹介する前に、「人工無脳」という言葉があります。これはチャットボットやおしゃべりボットに使われるプログラムで、特定のルール・手順に沿って会話を機械的に処理するだけで、実際の会話の内容を理解しているわけではないことを人工無脳と呼ばれています。これが元になっています。

イライザは1964年から1966年にかけてジョゼフ・ワイゼンバウムによって開発され、相手の発言をあらかじめ用意されたパターンと比較し合致した発言があると、そのパターンに応じた発言を返答する仕組みになっています。あたかも人間と対話しているような錯覚をイライザ効果といいます。

イライザの成功は後のゲームやスマフォの音声対話システムに影響を与え会話ボットや人工無脳の研究に繋がっています。

 

エキスパートシステム

ある分野の知識を取り込み、その分野のエキスパートのように振る舞うプログラムをエキスパートシステムと言います。
専門家の知識が入っているコンピュータみたいなものです。
将棋の専門家の知識をコンピュータに入れ、人と将棋を対局することなどに使われました。

他にもマイシン(MYCIN)というのがあります。
1970年代に開発されたマイシンは血液中のバクテリアの診断支援をするプログラムで、あらかじめ500のルール取り込み、患者が質問を順番に答えていくと感染した細菌を特定し、抗生物質を処方する事ができました。

しかし、エキスパートシステムにも限界がありました。
知識ベースの構築にあたり、専門家、事例、ドキュメントなどから知識を得る必要があったのですが、専門家からの知識獲得は困難でした。経験的なものが多く、暗黙的だったため、自発的に教えてもらうことは困難でした。さらに知識の矛盾や一貫していないため知識ベースを保持するのが困難になることがわかりました。これらのことにより第2次AIブームは衰退していきした。

 

オントロジー

オントロジーとは本来、存在論(存在に関係する体系的理論)と言う意味ですが「概念化の明示的な仕様」と言う定義が広く伝わりました。知識を共有することが難しいので、知識を体系化する方法論が研究されたのがオントロジーです。

オントロジーの目的は知識の共有と活用で知識他情報の意味構造を定義して扱う発想です。しかし、コンピュータでなんらかの知識を扱う場合、扱う人が勝手に扱えてしまい、コンピュータに取り込まれた膨大な知識のどれとどれが同じ意味を表しているかわからなくなってしまいます。そこで、言葉や意味、それらの関係性を他人と共有できるように明確な約束事(仕様)として定義します。

オントロジーにおいて、概念感の関係を表す「is-a」の関係(~である)と「part-of」の関係(~の一部である)は重要です。

・「is-a」の関係は上位概念と下位概念の関係を表します。
「AとB」の関係がなりたって「BとC」の関係が成り立っていれば、「AとC」の関係も成り立つと言うものです。A=B、B=CであればA=Cであるということです。

・「part-of」の関係は全体と部分の関係を表しています。
「アジアの一部は日本」、「日本の一部は東京」と言う関係が成り立てば「アジアの一部は東京」という事が成り立ちます。

しかし、成り立たない場合もあります。
「学校の一部の人」、「人の一部の手」というのが成り立っても、「学校の一部は手」というのが成り立ちません。

オントロジーの構築として、2つの流れがあります。

・対象世界の知識をどのように記述すべきかを哲学的にしっかり考えて行うもの
・効率を重視し、とにかくコンピュータにデータを読み込ませてできる限り自動的に行うもの

それぞれヘビーウェイトオントロジーライトウェイトオントロジーに分類できます。

ヘビーウェイトオントロジー
構成要素や意味的関係の正当性について哲学的な考察が必要なため時間とコストがかかります。一般常識を手動で全て取り込もうとするCycプロジェクトが30年以上も続いています。

ライトウェイトオントロジー
使えるものであれば良いという考えから構成要素の分類関係の正当性には深く考察はせず、「コンピュータで概念感の関係性を自動で見つけよう」という取り組み。ウェブデータを解析して知識を取り出すウェブマイニングやビックデータを解析して有効な知識を取り出すデータマイニングに利用されています。

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